【出羽守徒然記】 其之壱拾参


お晩に御座る、最上義光であるぞ。

いきなりじゃが、

7月21日(日)は「第23回参議院議員選挙」の投票日じゃ!

有権者の皆様、忘れずに投票に参られよ!

「忙しいし・・・」「せっかくの日曜なのに・・・」「どーせ何も変わらない」「自分ひとりくらい行かなくても・・・」・・・・・・・

投票は「個人の自由」ではなく「国民の義務」であるぞ、たとえ支持したい候補者や政党がなくとも自分自身の意思表示はしっかりと行うべきであるぞ。

己の権利を主張するには義務もしっかりと果たさねば、ひとつひとつの小さな積み重ねが地方を、国を動かし、ひいては自分達の日々の営みにも反映されるのじゃからな!

当日、仕事や所用で忙しい、別の場所にいる、等々、各々の都合もおありで御座ろう、その様な場合は「期日前投票」「不在者投票」の制度を利用されるが良い。

戦わずしてあきらめることなかれ!

あけび四八の総選挙にばかり現を抜かしておってはいかん!

日ノ本の未来は皆の力で築いて参ろう!

さて、この「選挙」なるもの、我らの戦国時代には無かった制度じゃが、現代の選挙では武士の時代の匂いが色濃く残る用語が多々使われる。

選挙資金を「軍資金」、立候補は「出馬」、そして「参謀」「采配」を振り、街頭演説に「出陣」する。選挙戦の「下馬評」を見守り、候補者同士が「鎬(しのぎ)」を削る。晴れて初出馬での当選などとなれば議員として「初陣」を飾る事になるわけじゃ。

「選挙」も「戦」のひとつの形であるからして、当たり前ではあるのだが、斯様に戦国時代な表現がしっくりくるのは「武士の誕生」との係りが深いからとも思える。

 

本日は、世界に類を見ない日本独特の文化、武士は如何にして誕生したか?を簡単に紐解いて参ろう!

 

 此れより先へと読み進まれる方はうんざりする程長くなります故、御覚悟召されたし。

武士とは軍人にあらず。軍人とは、あくまで皇帝(国)に忠誠を尽くす、現代で言えば公務員。だが武士は己の主君に忠誠を尽くす私兵、会社員みたいなものじゃ。

話は桓武天皇の時代まで遡る、当時の律令制の国家において民や土地は全て皇帝(国)の所有物とされた。そこに国軍はあれど私兵と言うものの存在は無かった。武士は生まれざるを得ない理由の中に生まれ力をつけ、後に貴族政治を打ち倒し、自分達の政権(鎌倉幕府)を打ち立てる事になる。

ここで当時の政治環境、時代状況を説明せねばなるまい。

桓武天皇はそれまでの国軍を解散廃止する。東北地方の争乱後802年頃。滅多に起こらぬ戦争に備え軍隊を所有するのは不経済であったからじゃ。

小さな犯罪であれば当時の警察(検非違使)で解決出来たが、大規模な犯罪に対しては全く無力となった。

京の都ですらそうだったのであるから、地方となれば尚更の事。

当時のこの国最大の産業は言うまでもなく農業じゃ。それには土地が何より重要な物であり、当時の農民達の土地への執着心や思い入れは現代人のそれなどは及びもしない程であった。

余談となるが、一所懸命(ひとつ所に命を懸ける)、田分者(土地を分けるは愚か者)等の言葉はこの当時に生まれたものじゃ。

軍隊が無く警察力が弱体した中、農民達は賊集団の襲撃から生命や財産を守る為、また他の集落の者達との農地・水争いに備え、自ら武装し自警せざるを得ない状況となる。

こうした中、必然的に武装農民が生まれ、これこそが武士の始まりなのじゃ。全国的にほぼ同時期に武士が誕生したと考えて良かろう。

朝廷では藤原良房、基経親子が手腕を振るい、藤原氏は栄華の絶頂を極める。

政治の天才と呼ばれ太政大臣となった良房は、知略策略をめぐらせ、天皇と言えども藤原氏の権力には抗えない体制を構築した。

いかに天皇の子であろうとも、生母が藤原氏以外の出である者達には、金銭面、仕事面(朝廷における官職)にて厳しい処遇を与え、皇族とは名ばかりの貧しい生活を強いた。あまりにも貧しい暮らしに耐えられず遊女にまで身を崩す者も出るほど。

この体制下では出世どころか生活さえままならぬと判断した皇族達は、「皇族」の身分を返上、家臣となって地方に移り開拓者としての新天地を求めたのじゃ。

当時の皇族は、天皇一族(主君)と家臣に二分される。皇族の身分を返上し、家臣になる事は「臣籍降下(しんせきこうか)」と言われ、皇族が減ればその分人件費削減となり、暗黙に奨励されていたようじゃ。

その中に桓武天皇のひ孫にあたる「高望王(たかもちおう)」と言う者がおった。

臣籍降下をしたその者は「平」と言う姓を与えられ、上総、現在の千葉県へと赴任した、後の平氏の誕生じゃな。

赴任後、高望王は任期を終えても京へは戻らず、そのまま上総に住み開拓農場主となったようじゃ。やがてその子孫が関東一円に広がり、関東において最も繁栄する一族となり、皆さんが良く知る平将門、平清盛へと続くのじゃ。

先にも書いたが、律令制の国家においては、民、土地はすべて皇帝の所有物となる、故にその土地からの収入は全て天皇の物とされておった。しかしながら、今も昔も現実には様々うまい抜け道がある。免税された土地「荘園」なる制度じゃ (その土地での収穫物は税として国(天皇)に収めなくとも良い制度)

この荘園が増えると天皇家の収入(税金)は減り、一方、荘園の農場主は収入が増える。

多くの貴族達が荘園を持つ中、地方の荘園など直接貴族の管理、開拓が及ばないところでは、その土地の有力な武士に委託管理したのじゃ。当時、土地の私有を認められていなかった武士達は開拓土地を貴族に荘園として寄付する。

本来であれば、貴族ではなく天皇に寄付するべきなのじゃが、結果としてその相手を有力貴族とした。

なぜなら、どちらに寄付するにせよ、開拓武士達は土地の収穫から貴族へ使用料もしくは天皇に税金を払わねばならぬ。比べた場合、使用料の方が税金よりずっと安かったからじゃ。

しかしいくら汗水垂らし苦労して切り開いても、土地は自分達の物にならず、税金、使用料を払い続けなければならない。いつしかこの事実が武士達の最大の不満へと変わり、それを原動力に平安貴族の政治体制を崩壊へと向かわせていったのじゃ。

そして、平氏ならば新しい時代を築いてくれるのではないか?

そう考え、武士達は平氏を支援し始めた。

しかしながら悲願に反し、平氏もまた、貴族化の道を進み、政治体制は従来から何も変わらず、武士達の期待は見事に裏切られた。

そしてここで武士達の不満を熟知した源頼朝が立ち上がり、いよいよ鎌倉幕府の成立に動き出し、やっと本格的な武士の時代の幕開けとなるのじゃ!!

 

さて、如何で御座いましたかな?

いつの世も、時代を動かすのは大衆のチカラである!

自分で書いておきながらなんじゃが・・・

こんな長文をダラダラと読んでいる時間があるなら、ちゃんと投票に行きましょう!忘れずに!!

其れ出羽

本日は此処迄!

さらばじゃっ!!

 

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次回、【シンMOGA’sキッチン】

見知らぬ天丼

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【出羽守徒然記】 其之壱拾参 へのコメント

  1. ジャンボ鶴田

    期日前投票をしました。ここ最近は、この制度を利用してます。海外では、選挙を棄権すると罰金だとか。誰に書いたと言えば…内緒です。

    さてさて、今日のブログの内容、もう一度読み直します。学生時代なら、一発でわかりましたが…。おもてなし集団で言えば、年代的に秋田の後三年合戦、神戸の清盛隊ですね。私は、世界史より日本史が好きです。

    日曜日、米沢行く予定ですが、天気次第。今日、大雨で山形新幹線が運休。自家用車…眼精疲労を起こしてしまい…。円錐角膜という目の病気で、ハードコンタクトレンズ使用で痛いです。体がぼろぼろのジャンボでした。

  2. 耀子

    義光様☆こんばんはo(^o^)o

    う~ん( ̄ー ̄)
    期日前投票行って来ました!せっかくの権利なので、行使させて頂きました。
    私事ですが、明日明後日海に行くための準備を、今頃しています。義光様のながーいご講話、帰宅の後ゆっくり読ませて頂きたいと思います。

    なにやら今日は全国ニュースになるほど、山形県に集中豪雨があり、赤湯や白鷹など被害が多かった様子、心配です。明日以降の皆様のご出陣にて元気になっていただけたら(о^∇^о)と思います。

    出羽、いつか逢える日まで…七夕の宴の成功をお祈り申し上げます\(^_^)(^_^)/

  3. かなめにゃん

    ことのほか長文なブログでびっくりしましたが、何とか読ませていただきました。
    最上さま、敬遠されがちな感じの歴史のお話を噛み砕くように分かりやくすして伝えていただきありがとうございます。読んでみて思ったことは、最上さまの国の行く末を危機感をこめて憂うお気持ちを感じました。ただ「投票に行こう」っていうだけなら簡単ですけど、すごく言いにくいことまで突っ込んだ形で伝えようと思われたんでしょうか。
    選挙のことは前々から気になっていて誰に投票しようかって選ぶのって難しいですが、よく考えて選んで一票を投じてまいります。

  4. あんみつ姫

    最上様
    こんばんはヾ ^_^♪
    昨日の大雨の被害、お見舞い申し上げます。

    大事な戦、出陣せずにはおれませぬ。
    すでに、期日前投票を済ませておりまする。
    戦のない日の本であってほしいです。
    お子達のためにも、大人の責任として大事な一票を行使しましょう。
    歴史を作るのは私たち。素敵なことでござります。

    【MOGA’sキッチン】も久しぶりですね。
    楽しみにしております。(*´∀`*)
    出羽、お会いできる日を楽しみにまたでござります。(^o^)/

  5. 侑希

    今 社会の勉強で 戦国時代のことについて勉強しています。  先生が 「伊達政宗もいいよ」 と言っていました。 私は、政宗様の事について調べようと思います。  政宗様のことは 少し勉強してわかるのですが、まだ わからないことがいっぱいあります。 なので、いっぱい調べて いっぱい覚えておきたいです。
    詰所に 行ったら義光様教えてくださいね。

  6. うめこ

    義光様、こんばんは(‘-‘*)

    期日前投票を終えてからブログ読みました〜。より良い方へ、日ノ本が動いていくよう願ってます。

    新章スタートの義光様クッキングも楽しみです!天井と読み間違えてしまいました\(^ー^)/

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