お晩で御座る、最上義光であるぞ。
まずは、日ノ本列島各地に甚大な被害をもたらし悲惨な爪痕を残した此度の台風26号にて、被災された方々への御見舞いを申し上げ、犠牲になられた方々の御冥福を御祈り申し上げます。
容赦ない自然がもたらす猛威の前では我ら人の無力さをいつも痛感させられ申す。
どんなに情報を集め、どれだけ準備をしても人的、財産的被害は無くなる事がない。
この星で人類が生命を営み続けて行く限りは抗えない「運命(さだめ)」なのやもしれぬが、同じ宇宙に生を受けたモノとすれば、この地球(ほし)の「尊さ」も、人ひとりの命の「尊さ」も等価値じゃと某は思う。
皆様、災害時は勿論、日々の暮らしにおいても自分、そして人の「命」を大切にお過ごし下され。
此度の傷も癒えぬと言うのに、また強い勢力の台風27号の発生が確認され、来週にはまたしても日ノ本に接近すると予想されております。
どうぞ皆様、細心の御注意を重ねて御願い致し申す。
さて、前回からの続きじゃ、最上川の上流にあたる米沢の松川、川幅が狭く台風や大雨による河川の氾濫、洪水に悩まされ、上杉景勝殿の命令で直江兼続殿が指揮して防災策として積まれた「直江石堤」、そこから東へと向かう
【上杉領偵察記 南部編 下】
直江石堤をあとにして、松川に架かる海老ヶ沢大橋を渡り進むと、左手に赤崩山(あかくずれやま)へと入る街道がみえて参る。
直江山城殿が石堤を設計するにあたり、この山に登り、城下を見下ろし松川の治水に思いを巡らせたという。
その街道に入るとまわりには田園風景が広がり、稲の収穫も終盤にはいり、刈取られた稲束が稲架に掛けられ天日乾燥されておった。
実に長閑じゃなぁ、と眺めつつ馬を進めると
道沿いの草丈も徐々に高くなり、すすきの穂が風に揺らめきながら延々と続き、山深くなってきた。
先を急ごうと、馬を走らせると更に奥深く山へと入っていく・・・
人通りどころか、点在しておった民家もどんどんとなくなってきた・・・
「ん~、こっちで大丈夫なのか?」
すると現在は廃校となり使われていない校舎が現れ
その傍らに
斯様な看板が建てられており、どうやらここから先は登山道となっていて、この先に直江山城殿が城下を一望した場所があり、馬をおりて歩いて登って行かなければならぬようじゃ。
すると、今まで人通りの無かった街道に一台の鉄馬が通りかかり、下馬された農夫の大将らしき方から「うえさいぐんだが?こごんどご、くまだのさるだのえさくいさこごらさおぢできてっからおっかねぞ」と御忠告を頂いた。
御忠告を通訳すると「上に登るつもりか?このところ熊や猿が餌をを食べにこの辺りまでおりてきてるから怖いぞ」と言うことらしい。
確かに辺りには栗や柿などの実をつけた木が沢山あった。
さすがに丸腰で熊と戦うのは無謀じゃ、「う~む」と暫らく思案の末、此度は甲冑も着けておらず、鬼切りも帯びておらぬ故、登頂をあきらめることに致した。
気を取り直して、山を下り元の街道に戻って更に東に馬を進める。
左右に広がる穏やかな田園風景を楽しみながら馬を早足で進めて行くと関根地区という集落に入って参る。
米沢市内中心部からはだいぶ離れておるが、古き良き町の佇まいを残し、上杉家と関わる重要な史跡を有する集落じゃ。
こちらは、JR東日本奥羽本線「関根駅」
福島からの電車だと米沢のひとつ手前となる無人駅じゃ。
近くには「関根 不門院口」のバス停も御座る、一日2本じゃが、米沢駅発着で便利。
このバス停の乗り場名にも使われている「不門院」が此方。
正式には「岩上山不門院」、仁寿3年(853年)創立の国指定史跡じゃ。
現在の場所に寺が移されたのは約450年前、伊達家が米沢を治めておった頃と聞く。
この不門院は第9代米沢藩主上杉鷹山公と深い所縁があるのじゃが、その詳しいあれこれについては此方を御覧下され。
この不門院は現在、平成24年から始まった保存修復の為の工事中で、完了予定は平成30年。
実に7年もの時間を要するのじゃ、こういった歴史的建造物の修復補修が如何に難しく大変かをうかがい知る事が出来ますな。
そして不門院の近くには
国指定史跡の羽黒神社が御座います。
創建は大同元年(806年)と伝えられており、大変歴史のある社じゃ。
現在の社殿は棟札から推察すると天明8年(1788年)6月15日に再建されたと考えられるそうであり、社殿の再建ならびに修復については、伊達政宗殿、直江兼続殿も行ったと伝えられておる。
そしてこの羽黒神社もまた不門院と同じく、上杉鷹山殿と深い縁をもっております。
ん~、此度の散策偵察はなかなかの充実ぶりとなった!
そろそろ腹も空いて参ったので、最後は上杉領の美味を偵察して帰陣致そう。
【MIB2】
~古き良き町角のラーメン~
此度紹介致した、関根地区には、中心街からはなれておるにも関わらず、評判の高い人気ラーメン屋さんが御座います。
それが此方、「さつき食堂」さん!
地元民ならず、県内はもとより近県のラーメン愛好家に愛され、支持されておるのじゃ。
まず、店内に入ると一瞬で時代を「たいむすりっぷ」して遡ったかの様な感覚をおぼえる。
まるで終戦直後の頃そのままのような店内が、なんとも味わい深く日ノ本人の郷愁をくすぐってくれます。
ワシがお邪魔した時間は丁度お店のおばちゃん方のお食事時間だったらしく、お店の三人さんが仲良く席を囲んでラーメンを召し上がっておられ申した。
「!」
これは期待出来る!!
何故ならば、店員さんが「まかない」にラーメンを食べているという事は、「しょっちゅう食べても飽きがこない」ほど美味しいという事、更には、いつも自分達で食べる事よって調理具合や味のチェックをかかさないという事になる。
早速席について注文!
そして出てきたのが、様々なお品書きの中でダントツの一番人気「ねぎラーメン」!
これでもかっ!というくらい新鮮で大量の白髪ねぎがたっぷりと乗っており、煮干しと鶏ガラの「いい香り」が、ぶわ~っと運ばれてきました。
スープをずずっと・・・
鰹節もしっかりと効かせており、野菜のほんのりした甘味と醤油ダレと相まって、日本蕎麦の汁にも近い上品な旨味があります。
醤油もしっかり効いており、けっして薄いのではなく「やさしくてしっかりした旨味」!
ネギの香りと甘さとも、とても相性が良く、箸が進みます。
麺は米沢ではお約束の、多加水細打ち縮れ麺、固めの茹で具合が申し分御座らぬ。
ねぎと絡んだ食味も良い。
このチャーシューがまた、美味い!
やわらか過ぎない程度に煮込まれており触感がちゃんと楽しめる、旨味もしっかり閉じ込められており、作った方の技量に感心致した。
いやぁ~、大満足であった!
是非、皆様にも食べて頂きたいひと品じゃ。
さつき食堂
住所 山形県米沢市大字関根13562-7
電話 0238-35-2753
営業時間 11時~15時
定休日 月曜日
駐車場 有
さて、腹も膨れたところで、「上杉領偵察記 南部編」はこれにて一巻のおしまいじゃ。
明日は、先ずは第13回米沢おしょうしなマラソン大会の開会式
そして本日に続き第19回米沢市産業まつり に出陣致しますぞ。
日記の冒頭でもふれましたが、台風27号の接近もあり、天候が不安定じゃ、御参加下さる方は何卒、防寒、雨対策をしかと御願い致し申す。
其れ出羽
本日は此処迄!
さらばじゃっ!!