お晩で御座る、最上義光であるぞ。
先ずは、この度日ノ本各地を襲った大雪により被害に遭われた方々に心から御見舞いを申し上げます。
今日現在の時点で確認されているだけでも、32都府県で1650人が負傷、14人死亡、2人意識不明、3人が行方不明。
特に関東と甲信地方の被害は甚大で、家屋等の損壊が90件以上、道路や鉄道のインフラも遮断され物流に支障をきたし、電気や通信といったライフラインまでもが止まってしまい、今なお復旧の見通しがたたず、陸の孤島となっている地区もあると聞く。
雪への対策がしっかりしている東北でさえも支障をきたす程であったのだから、積雪に不慣れで準備のない地域においてはまさに災害となってしまった。
寒さに耐えながらの不安な日々をお過ごしで御座いましょうが、どうか気を強く持って、家族、近隣の皆で力を合わせ励まし合いながらこの状況を乗り切って頂きたいと切に望みます。
思えばこの大雪の始まりは、過日、米沢で開催致した「第37回上杉雪灯篭まつり」、「第3回米沢冬の陣と歴史講演会」の日であった。
悪天候により交通事情の悪い中を、日ノ本各地より各武将隊の方々と、大勢の御客様の御参集を賜り申した。
来れたは良いが、帰りは皆様方に相当な御苦労をさせてしまったようじゃ。
「雪深き米沢には遭難覚悟で参れ」などと冗談交じりに申しはしたが、本当にあのような事になってしまうとは・・・
此度は生憎の天候では御座いましたが、これに懲りず、どうぞ皆様、歴史情緒あふれ食べ物の美味しい置賜、米沢へのまたの御越しをお待ち申し上げております。
さて、本日は久方ぶりに
【シンMOGA’sキッチン】
~キルシュ誕生~
此度は料理ではなく、手軽に作れる果実酒を紹介致そう。
果実酒と言えば代表的なのは「ぶどう酒」や「梅酒」、ご家庭で自家製を作って楽しんでおられる方も多いであろう。
此処、山形、置賜は国内でも屈指の果樹王国!
初夏から秋にかけて様々な果物が実を付け皆の味覚を楽しませてくれるのじゃ。
そして酒処でもある!
故に果物を原材料にした酒(ワイン・リキュールなど)が数多く作られております。
しかし、ワシにはひとつ不満がある!
山形が日ノ本一の生産を誇る「さくらんぼ」
こんなに美味しそうな「さくらんぼ」が沢山収穫出来るのに、この「さくらんぼ」を使った本格的な酒が見当たらない!
「さくらんぼ」を使った本格的な酒、と申せばチェリーブランデーの異名を持つ「キルシュ」じゃ。
「キルシュ」はさくらんぼを原材料とし、醗酵、蒸留して作った酒。
ウイスキーやブランデーの様に樽熟成はせぬので、果実の良い香りが残る。
フランス、ドイツ、スイスなどが主な産地じゃが、お菓子などを作る際に風味付によく用いられるので、知っておる方も多いであろう。
これを簡単に、尚且つ本格的(っぽく)、そして美味しく作ろうと言うのが今回のレシピじゃ。
出羽、早速!
材料
さくらんぼ(佐藤錦がおすすめ) 500g程度
氷砂糖 50g~80g
ウォッカ(40度以上) 500ml
他に果実酒を作る広口の瓶も御用意下され
※さくらんぼが出回るのは6月から7月です。此度紹介致す酒は昨年6月に仕込んだものに御座います、御了承下され。
作り方
先ず漬け込み用の瓶は熱湯で消毒して下され。
さくらんぼは水洗いして水分をしっかりふき取る。
さくらんぼのじくを丁寧にはずす、乱暴にすると実割れする事があるのでご注意を。
瓶にさくらんぼを優しく入れ、氷砂糖を加え、ウォッカを注ぐ。
此処で重要なのが、必ずウォッカを使うことじゃ、40度以上出来れば50度のものがあれば言う事無し!
度数の低い果実酒用の焼酎では果実の甘味と香りが抽出されにくいのじゃ。
そしてこれを冷蔵庫に保存し、時々瓶をゆっくり上下して混ぜる。
思い出した時で良いのじゃ、基本、放って置いてかまわぬ。
1ヶ月から2ヶ月程で自身の糖分による醗酵が始まり、ぷつぷつと泡が立ってくる。
しかし、どぶろくのように吹き出したり、破裂したりする程の強烈な醗酵ではないので、ここでも基本、放置じゃ。
斯様に、仕込以外はほとんど手を駆ける事無く8ヶ月置いたのがこちら
果実を取り出す、さくらんぼの色素と醗酵によりウォッカに程よい色がついておる。
さて、肝心の味は如何に?
「うんまいっ!!」
予想を遥かに上回る出来栄え!
果実香もしっかり残っており、自然な甘さで飲みやすい。
しかも本当のキルシュにかなり近い味わいに仕上がっておる!
こんなに本格的な出来上がりになるとは、正直、自分でも驚いた。
そしてこれは取り出したさくらんぼの果実、梅酒の梅みたいじゃ。
もちろん食べられるが、たっぷりと酒精を吸収しておるので、いい感じで酔う!
ジャムやコンポートに再利用できそうじゃな。
此度紹介した自家製キルシュ(もどき)、如何でしたかな?
なんで今の時季にさくらんぼ?と思われた方もおられましょうが、仕込んでから飲めるようになるのが6ヶ月から8ヶ月、故にこの時季の御紹介となり申した。
さくらんぼの時期に山形を訪れて頂いた際には、是非美味しい日ノ本一のさくらんぼをお求めいただき、美味しいキルシュ作りに挑戦してみて下され。
其れ出羽
本日は此処迄!
さらばじゃっ!!